朝一番の景色としてこれ以上のものはない——それが湖面に映る富士山です。山梨県側の北麓に広がる富士五湖(山中湖・河口湖・西湖・精進湖・本栖湖)と、静岡県側の広大な朝霧高原。この一帯は日本有数のキャンプ場集中エリアで、東京からも2〜3時間で到達できます。ここでは地域の特徴、山が見える季節、高地ならではの寒さと風、そしてアクセスまでをまとめます。
一つの山、五つの拠点

五湖は山梨県内に弧状に連なり、それぞれ個性があります。
- 山中湖:五湖最大。空が広く、水面から昇る日の出が美しい
- 河口湖:交通の要衝で最も開発が進んだ湖畔。温泉や施設が近く便利だが賑やか
- 西湖・精進湖:森に囲まれた静かな湖。大型施設は少なくゆったり過ごせる
- 本栖湖:透き通る水と千円札の図柄でお馴染みの眺め。開けた立地で風が強い
- 朝霧高原:南麓(静岡県側)の牧草地帯。遮るもののない大パノラマだが、湖畔より風が強く冷え込む
「湖畔の便利さ」と「高原の大景観」。旅の最初の選択はここです。
山が実際に見えるのはいつ?

富士山は有名な気まぐれ屋です。雲や霞で山頂から下が見えない日は、初めての方の想像より多くあります。
- 10月〜2月:一年で最も空気が澄み、視程が長い。ただし夜は最も寒い
- 4月〜5月:新緑と安定した空気。日中も過ごしやすい好季節
- 6月〜7月中旬:梅雨。湿度が高く曇天が続くことも珍しくない
- 7月中旬〜8月:登山シーズンで賑わう。午前中は晴れ、午後に山頂付近へ雲が発達しやすい
- 9月:天候が変わりやすく、台風の影響にも注意
ベストシーズンでも「雲ひとつない富士」はボーナスと考え、2〜3泊の滞在でチャンスを増やすのが現実的な計画です。
寒さと風への備え

湖畔や高原の標高は約800〜1,000メートル。8月でも夜は10度前後まで下がることがあり、11月〜3月は氷点下と霜が当たり前です。予報最低気温より余裕のある寝袋、断熱マット、重ね着は必携です。
もう一つの特徴が風です。山体を回り込む気流が絶えず流れており、特に朝霧高原や本栖湖周辺のオープンサイトでは突風への備えが必要です。背の低い強いテント、ペグとロープの予備、自然の遮蔽を活かした張り位置を選びましょう。標高が高いぶん紫外線も強く、涼しい日でも日焼け止めは必須です。
アクセス

- 車:高速道路で北麓と御殿場側の両方に入れるため、最も自由度が高い選択肢。装備の運搬にも有利。お盆や紅葉シーズンの週末は渋滞覚悟で
- 電車・バス:東京方面から鉄道や高速バスで河口湖側へ入り、路線バスで五湖周辺へ。拠点を絞れば車なしでも旅は可能ですが、郊外ほど本数が減り最終便が早いので要注意
- 朝霧高原:御殿場経由の公共交通はまばら。車か事前の手配が現実的
どのルートでも、出発前に時刻表と最終便の確認をお忘れなく。
キャンプ場の探し方・選び方

名前を暗記するより条件で絞り込むのが確実です。マップで山梨・静岡に絞り、狙う湖や高原の周辺にある施設を探してみてください。チェックしたい項目:
- 標高と開放感:実際の寒さや風の強さの目安になります
- 予約要否:10月の週末とお盆は数ヶ月前から埋まることも
- 地面の種類:芝生サイトは雨に強く、足元も快適
- レンタル品:手ぶら対応の施設もあり、海外からの旅行者に嬉しい仕組み
- 設備:水場・トイレ・近隣の温泉があるだけで快適さが段違い
無料・格安のサイトもありますが設備はシンプルで、晴れた週末は早々に埋まります。当日の午後までには到着するか、管理された施設を予約しましょう。
景色だけじゃもったいない

山なしの日も計画に組み込みましょう。湖岸を巡るサイクリング、穏やかな朝の湖でのカヌーやSUP、風の夜のあとの温泉。河口湖周辺には雨天時に助かる屋内施設もあります。日程が合えば地元の祭り・イベントを絡めると記憶に残る一夜になります。旅をさらに広げたいときは、近隣の山や湖を扱ったガイド一覧も参考にどうぞ。
出発前に最新情報を

富士山周辺は季節によって状況が大きく変わります。キャンプ場の開設期間や料金、道路規制、気象警報、野生動物情報などは、出発前に必ず最新の公式情報——山梨県・静岡県の観光公式サイト、国立公園の案内、交通機関、気象庁の予報——でご確認ください。出発前のひと手間が、旅全体の安心につながります。